13日の午後、礼拝堂で特別なピアノコンサートが開催されました。
演奏は、左手のピアニストとして活躍しておられる月足さおりさん、伊丹市の福祉センター喫茶コーナーで働きながら各地で演奏活動を続けておられる鈴木凜太朗さんです。
月足さおりさんは、今年4月に初めて来会され、親指に装具をつけて、スクリャービンやマロッテの曲の他、ご自身作曲の「星の王子様」や「しずく~雫」を演奏してくださいました。その後、数カ月の間に病状は進行し、左手のピアニストにとって特に大切な親指が使えなくなってしまいました。
すると、ある作曲家の方が4本指で弾ける曲を書いて提供してくださったそうです。今回はその中から「アコヤ貝」という曲を弾いてくださいました。
その曲のなんと素晴らしかったこと、そして月足さんの演奏のなんと美しかったこと!
「月足さんの初めのフレーズで私の心には自然に涙があふれました。多くはない彼女の奏でる音はまさに、勾玉真珠の光に包まれていました」
という感想をいただきましたが、まさしくその通りでした。
麻痺のある右手には三角巾をつけ、両手でも日本の曲のメドレーを弾いてくださいました。
ピアニストとして想像を絶する苦しみがおありでしたでしょうが、月足さんは、演奏だけではなく、お話やたたずまいにも静かな光が輝いています。
鈴木凜太朗さんは右手首より先が生まれつき欠損しています。お母さまのお友だちでいらっしゃるピアノの先生から指導を受けられ、ショパンの「別れの曲」が弾けるまでになりました。凜太朗さんご自身のたゆまぬ努力と、ご家族の支援がどれほど尊いか、豊かな演奏を通してしみじみと感じられました。
今回は「別れの曲」、「トロイメライ」、「楽しき農夫」というクラシック曲の他、「栄光への架け橋」や森山直太朗さんの「さくら」なども演奏してくださいました。「さくら」はお父さまとの連弾です。
曲の合間にお母さまが凜太朗さんの生い立ちや日常のことを話してくださいました。凜太朗さんの周りには愛がいっぱいです。演奏と素敵な笑顔でさらにたくさんの方に愛を届けておられる凜太朗さんです。
「鈴木さんの力強い演奏、とても感動しました。家族のサポートも含めてとてもすてきでした」
「大好きなピアノを演奏している姿はとてもかっこよかったです!これからもすてきな音楽を皆様に届けていってください。今日は本当にありがとうございました」
寄せられた感想には「感動」という言葉がいくつもありました。
月足さおりさん、鈴木凜太朗さん、本当にありがとうございました。
神様の祝福を心からお祈りいたします。
コンサートにお越しくださいました皆様にもお礼を申し上げます。ありがとうございました。