11月29日(日)の夕方、神戸の青谷福音ルーテル教会にて宗教改革500周年を記念する「祝祭礼拝:神はわがやぐら」が行われました。この祝祭礼拝は、ルターが記した礼拝に関する書物「フォーミュラミサ」と「ドイツミサ」を参考にした式です。
ルターの宗教改革は礼拝改革でもありました。礼拝が「私たちから神様へ」ではなく、「神様が私たちに仕えてくださる」という方向に変わったのです。「民衆のための礼拝」を主張したルターは、ラテン語ではなく、民衆の言葉での礼拝を初めて行った人でした。民衆が母語で歌える賛美歌を導入したのもルターです。29日の礼拝の前には、ミニレクチャーがあり、このような宗教改革の基本を教えていただきました。
祝祭礼拝は19時に、160人編成の聖歌隊が歌う輝くようなコラール「ああ我ら神に感謝せん」(Rinckart/Bach)で始まりました。続いて、救いを求める嘆願・赦しの宣言、キリエ、グローリア、挨拶と応答、集祷、使徒書の朗唱。朗読ではなく、節のあるチャントです。
そして、バッハが1724年の宗教改革記念礼拝に初演したといわれているコラールとカンタータ「神はわがやぐら」。ソプラノ、アルト、テノール、バス、チェンバーアンサンブル、聖歌隊を指揮者の日山かおる先生が見事にまとめあげられ、本当に素晴らしかったです。コラール4節は会衆も一緒に歌いました。「神の国は なおわれらにあり」という歌詞が礼拝堂いっぱいに響きました。
さらに福音書の朗唱、信仰告白、使徒信条、前川隆一牧師によるメッセージ「神の義」、献金、主の祈り、感謝の歌と祝福の祈り、平和の挨拶(主の平和があなたと共にいつもあるように アーメン)、終祷、アーメン三唱で終わりです。後奏はオルガンで「コラール即興曲:ああ我ら神に感謝せん」(S.Karg-Eler作曲)。福音書は『私たちがキリストのところに行くのではなく、キリストが私たちに来てくださったことを思うため』(ミニレクチャー資料より引用)、会衆の真ん中で朗誦されました。
500年前に思いを馳せるというより、今もイエス・キリストは私たちとともにおられると、あらためて感じ入った時間でした。
この祝祭礼拝は神戸ルーテル神学校の皆さんが準備されました。神戸ルーテル神学校は今年で創立60年になります。神戸の王子公園の近くです。聴講制度や通信講座もあります。詳細は神学校のホームページをご覧ください。www.koluthse.jp
写真は、祝祭礼拝の聖歌隊に参加された方の記念品です。デザインはルターローズと呼ばれるルターの紋章です。白いバラには「この世を超えた喜び、慰め、平和」という意味があるそうです。(T記)