この4月から新しくこのコーナーを設けました。題して「こころに響く聖書のことば」です。聖書には人を慰めたり、人生に希望と励ましをもたらす、素晴らしいことばがたくさん記されています。私自身40年近く、聖書のことばに励まされて今日まで生きることができました。小さな私の経験からしても、聖書は何にも優る最大の、そして永遠の財産と言えます。このたび、その素晴らしい財産を少しずつ、おすそ分けしようと思い立ちました。しかし、私の最大の喜びは、これを閲覧くださったあなたが、実際に聖書を手に取ってお読みくださることです。(2017年4月 あお福音ルーテル教会牧師 植田哲昭)
第1回
「わたしの目には、あなたは高価で尊い。わたしはあなたを愛している。」
旧約聖書イザヤ書43章4節
あなたはご自分をどのように評価されるでしょう。多くの人は、他人と比較して評価します。あるいは社会的評価、つまり他人の目には自分がどう映っているかによってもします。しかし、そのように他者との比較や評価の中で生きている限り、ともすれば、「自分なんか、何の役にも立たない価値のない人間だ。」と思い、生きる意味を見失う場合も起ります。いや、起るというよりもむしろ、そのような思いに日々捕らわれて生きているのが私たちの現状ではないでしょうか。「学歴も、家柄も、才能もない私なんか、いてもいなくてもいい。生きていてもしかたがない」と・・・。
そうではありません。あなたが人の目にはどう映っているか、また自分の目にどう見えているかは知りません。しかし、神さまの目には、あなたはかけがえのない高価で尊い存在なのです。ですから、もし、あなたが「私は誰からも愛されていない。誰からも見向きもされない」と思っておられるのであれば、決してそうではないと断言させていただきます。
神さまは、あなたを愛して、あなたのために、たった一人の、それこそかけがえのない存在である「神のひとり子」イエス・キリストをこの世に遣わし、十字架の上に犠牲にしてくださったのです。
もし、神さまの目から見て、あなたが何の価値もない存在であれば、ひとり息子のキリストを十字架に架けることは絶対なさらなかったでしょう。2000年前にイエス・キリストが十字架にお架かりになったという出来事自体が、神さまにとってあなたがかけがえのない尊い存在であることを証明しています。
たった一度しかない人生です。たった一人しかいない自分です。あなたを愛して、あなたのためにいのちを捨てられたキリストの愛をどうぞ覚えて下さい。そこに本当の生きる希望と力があります。